サード・ポイントがサザビーズ会長に首を要求

 米著名ヘッジファンドマネージャーのダニエル・ローブ氏の運用会社サード・ポイントが2日、競売大手サザビーズに対して、ウィリアム・ルプレヒト会長の辞任を要求する投資家向けの書簡を公開した。ローブ氏自らの取締役会への参加も求めている。

 書簡によると、サード社は現在サザビーズ株を買い増して9.3%まで保有比率を高めており、筆頭株主になっているのだという。


ダニエル・ローブ氏(フェイスブックより)
 そして、経営の問題点として、営業利益率が慢性的に低く、競合他社であるクリスティーズの後塵を拝し続けていることや、戦略的、財務的なビジョンがなく、コーポレートガバナンスに不満が残るのだとしている。

 また、今後の成長の柱として、古典美術だけでなく、コンテンポラリーアートにも力を入れて育てていく必要性も説いている。

 「修復が必要な古典名画」だと会社をたとえた上で、「最高経営責任者(CEO)を探すことがわれわれの最優先事項になりそうだ」とするなど強い態度で臨んでいる。また、その候補者として外部からすでに目星をつけてもいるのだという。

 ローブ氏はヤフーのCEOの学歴詐称を暴いて追い落としたり、また、今年に入ってからは、ソーニーの株式も7%保有しソニーミュージックやソニーピクチャーズなどの娯楽部門の切り離しての上場を要求するなど、存在感を増している。

 サード・ポイント社は昨年、ヤフーの他にもギリシャ国債、ハーバライフ株、日本へのマクロ投資など次々と成功を収め、運用資産総額は1兆円を超えて米国を代表するヘッジファンドにのし上がった。

 同社によると、今年9月末時点での年利は20.4%となっている。

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