「史上最速の没落」資産の99%、3.4兆円を消失の大富豪

 ブラジルの大富豪アイク・バティスタ氏が、ピーク時の総資産345億ドル(約3兆4000億円)のほとんどを失っていたことがわかった。現在資産は99%以上が消失しており、史上最速の没落になりそうだ。

 2011年に世界7位にまでのし上がったアイク・バティスタ氏。資源鉱物グループEGXを核に、ブラジルの経済成長に乗るかのように資産を拡大してきた。現在56歳だが、ダイヤモンド、金などのバイヤーを経験し頭角を現すと、20代で自身で起業。約30年でブラジルでナンバー1の大富豪となり、数年で世界一の大富豪カルロス・スリムヘル氏を抜きたい、と公言していたこともあった。


 野心家であったこともうかがえるが、かねてからテクノロジー系分野への進出を念願していたため、GE株を取得。さらに台湾のフォックスコンを買収したい意向も強く持っていた。全盛期であればまだ可能性もあったかもしれないが、足元を崩された現在では見る影もない。

 私生活ではプレイボーイモデルと結婚し、歌手マドンナさんとの写真もよく見受けられるように友人関係の間柄でもある。メディア露出も多く豪邸、名車コレクション、プライベートジェットなどと相まってかなりの派手な大富豪として伝えられることも多かった。

 だが、「資源経済」でもあるブラジル経済の危機に合わせるように、2012年からEGXやその傘下の企業の株価は暴落を始める。さらに自身が資産回避したことや、長男がマクラーレンを乗りまわしてスピード違反で死亡事故を起こしてしまった。その被害者が貧しい労働者だったことも社会的感情に火をつける結果となってしまった。

 ビジネス誌ブルームバーグビジネスウィークでは表紙を飾り、
「HOW TO LOSE A $34.5 BILLION FORTUNE IN ONE YEAR」と特集されている。

 歴史的な没落を演じたバティスタ氏だが、9月に米WSJに対して、「必ず帰ってくる」という言葉をのこしており、まだすべてが終わったわけではない。

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