富裕層対庶民、中国に足りない「若い女性」巡り

一級の恋愛ハンターの年収は億超えも

 “恋愛ハンター”の仕事は、毎日3人の女性を見つける事だ。彼は上海にある結婚相手紹介会社で働いている。この会社には、数百人の富裕層男性が、伴侶を求めて登録していて、会費は、サービスの種類によって1.5万ポンド~100万ポンド(約230万円~1億5000万円)まで幅広い。


写真はチャン・ツィイーさん
 恋愛ハンターの仕事は、底引き網漁業を思わせる。広い範囲に網をしかけ、狙いを定めて捕まえる。だが、顧客のニーズにあっているかも重要だ。中国富豪の要求は厳しい。ある人は、チャン・ツィイーそっくりな女性を要求して譲らず、またある有名な不動産王は、9つの都市で1万人以上の女性を面接させた。

 一級の恋愛ハンターとなると、その報酬は数百万ポンドにも上るという。ただ、女性を商品のように扱って罪悪感はないのだろうか?「女の子がどう感じているかは、気にしてないよ。ただ需要の多いサービスを提供しているだけなんだ」と、前出の恋愛ハンターの男性は話す。

 中国の富裕層の男性は、伴侶探しを外注する事で、より選択肢が広がったようだ。ところが、反対側の立場の人は全く選ぶ余地がなくなっている。農村部など、発展が遅れている地域の男性の結婚事情は危機的状況だ。

 都市に人口が流れている中国では過去10年で3億人以上が農村を離れた。広西チワン族自治区のある村には700人が暮らしているが、妻のいない男性が約60人いる。結婚適齢期の女性は、みな海沿いの都市に出稼ぎに行ってしまったようで、「誰でもいいから」というのが本音のようだ。

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