凱旋門賞で世界一に挑む栗東の40代「天才」と「秀才」

片や大スター、片やただの大学生

 騎手としてきら星のごとく歩み始め、デビュー2年目の1988年に19歳で菊花賞制覇など関西で最多勝ジョッキーとなった。その頃は、学校の成績が良かったこともあり、池江調教師は同志社大に進み馬術部に入ったという。スポーツ紙競馬担当記者によると、「豊が活躍しているのに、自分は(馬術部の)活動費がなくてアルバイトをしたり、俺は何してんねんと思っていた」と当時を振り返っていたこともあったそうだ。

 調教助手となってからは、ケンタッキーダービーを制したフサイチペガサスなどを管理した米国のドライスデール厩舎などでも修行を積むなど、ドメスティックなトレセンの中では進歩的であり、「池江調教師は時間が空いている時に競馬の話をすると、必ず海外の話が出てきます。それもオタク的で、かなりの知識です」というほど海外事情にも詳しかったという。

 武豊騎手については、弟の幸四郎騎手が過去に筆者に「兄貴は別格。子供の時から、競馬の話なんか、なかなか聞けませんでしたよ」と語ったように、他を寄せ付けない天才でもある。ただ、池江調教師とは違い、海外の大レースでも勝ってみたい、と意外なほどサラッと話すくらいで、2人のタイプの違いがうかがえる。

 オルフェーヴルはフォワ賞、キズナはニエル賞とそれぞれ凱旋門賞の前哨戦を余力を残して勝っている。凱旋門賞は欧州の調教馬でないと勝っていない世界最高峰のレース。だが、本番で優勝するのはどちらかだとの見られているが、2人の同級生が競馬の歴史を塗り替えのはもうすぐだ。

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