ツイッター上場で億万長者は何人誕生か

 米大手SNSのツイッターが先日、米証券取引委員会(SEC)にIPO(新規株式上場)の申請を行い、11月にもいずれかの市場に上場と見られるが、ビリオネア(10億ドル長者)の誕生は1人となる見通しだ。昨年上場のフェイスブックでは9人誕生しただけに寂しいかぎりだ。億万長者は7人誕生する見通し。

 SECに提出した資料(S-1)によると、ツイッターの資金調達は10億ドル規模と小さく、グーグルの19億ドル(2004年)、フェイスブック160億ドル(2012年)と比べるとかなり小さい。共同創業者の一人、エヴァン・ウィリアムズ氏が12%にあたる、約5690万株を保有。時価は1株=20.62ドルで計算すれば、約11億7348万ドルになる。

◆主な大株主(氏名、保有株数、保有比率、時価総額) 
エヴァン・ウィリアムズ  5690万株 12%  11億7348万ドル
リチャード・コストロ   758万株  1.6% 1億5649万ドル
ジャック・ドーシー    2341万株 4.9%  4億8274万ドル
アダム・ベイン      172万株      3551万ドル
ピーター・カリー     29万株       601万ドル
ピーター・フェントン   3156万株 6.7%  6億5094万ドル
デビッド・ローゼンブラット28万株       584万ドル
ディック・コストロ    758万株      2億2000万ドル
ビズ・ストーン      0株        ?


左からウィリアムズ、ストーン、ドーシーの3氏
 ウィリアムズ氏とともに、共同創業者であるジャック・ドーシー氏は4億8274万ドルで、ビズ・ストーン氏にいたっては、ほぼ0株に近い保有数だ。初期のメンバーたちが会社を去る時にかなりの株式を売却していると見られ、それらがセカンドマーケットで流通し、相対取引で売買されていた。その価格が1株=20ドル台だということだ。

 元々別の会社のサイドビジネスとしてガレージから立ち上がった事業だが、会社化してからは取締役会での権力闘争や、経営コーチ屋の過剰な介入などで、創業メンバーさえも離れていった。ツイッターという技術、サービスありきの立ち上がりでもあり、それほど会社組織としての結束には乏しかったのかもしれない。

 とにかく、SNSとしては、2億人以上のユーザーを抱えるサービスに成長し、世の中になくてはならないものとなった。この時点ではビリオネア1人、ミリオネア7人が誕生する見込みである。

 また、NYタイムズによると、ビズ・ストーン氏の知人であるグレッグ・ヤイタネス氏が初期に投資するチャンスを、妻から「離婚する」と言い渡され、チャンスを逸したという残念すぎるエピソードが紹介されている。

 他には、5%保有の機関投資家は次のとおり。
リズヴィ・トラヴァース
スパークキャピタル
ベンチマークキャピタル
ユニオンスクエアベンチャーズ
DSTグローバル

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