「課税逃れ」否定、Rブランソン氏がカリブ移住で

 ヴァージングループ創業者の英大富豪リチャード・ブランソン氏(63)が、課税を回避するためにカリブ海のプライベートアイランドへの移住を否定した。

 ブランソン氏はすでに、英ロンドンよりもプライベートアイランドで過ごす時間の方が長く、実質的には移住しているも同然の状態にある。英国は所得税の最高税率が50%になっているが、ブランソン氏の個人所有の島があるネッカー・アイランドは非課税となっている。

 これは一部の英メディアが、課税逃れのための移住であると報じた件で、反論したものだ。ブランソン氏の資産は30億ドル以上で、また、収入の多くを慈善事業に費やしており、すでにネッカーアイランドの島はかなり以前から所有していたことも知られている。


リチャード・ブランソン氏のブログより
 ブランソン氏は自身のブログで「34年前の29歳の時に、ネッカーアイランドの島を購入したており、税務上の理由から購入したわけではない。わたしはネッカーアイランドという世界で最も美しい場所に住んでいるという幸福に浸ることができる。そのために、今の場所を構築した」と語っている。

 本格的に住むようになったのは7年前からで、父の遺骨も散骨しおり、「家族が集うことができる場所」とも語っている。

 また、これまでの人生を振り返り「自分のキャリアで多くの富を築くことができ、住まいを選ぶ際には税金を気にする必要はなくなった」としており、ライフスタイルのための移住であることを主張している。

 大富豪はすでに何カ国かに住む所を持っている場合が多く、課税逃れのために新たに購入するということはあまりない。隣国フランスでは、ブランド帝国LVMH会長ベルナール・アルノー氏がベルギーへの移住を報じられたが、このケースも以前からベルギーに家を持っており、完全に住所を移すという意図はなかったものと見られている。また、本人が完全に否定している。

 若い富裕層ならともかく、60歳代など高齢の富裕層がざわざわ課税逃れのためだけに、住み慣れた場所の国籍を離脱し居住地を帰るということはなかなか考えにくい。また、悪評によるビジネスへの影響も考慮すれば、ほぼメリットはない。

 移住の際には、こういった悪評と戦うことになるが、その費やすエネルギーも考えればそれほどメリットは少ないだろう。

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