バーバリー女CEO就任はアップルの「ブランド化」

 米アップルは、英ブランド、バーバリーのアンジェラ・アーレンズ最高経営責任者(CEO)を小売部門のシニアバイスプレジデントとして迎え入れると発表した。高級ブランドから電話メーカーへの異例の転身の背景には、アップルが「ブランド企業化」している点も見逃せないだろう。

 アーレンズCEOは、英FTSE100の企業の中では2012年報酬が1690万ポンドと、最も高額だったCEOとしても知られる。

 なぜ、高級ブランドから、通信機器メーカーのアップルへの移籍なのか。それは一つには、アップルがブランド化していることに理由がありそうだ。


 例えば、英国の著名人たちが投票して決めるブランドランキング「CoolBrands」では、2013年はアップルが、2位アストン・マーティン、3位ロレックスを抑えて1位に輝いている。ちなみに、このランキングにはかつては日本企業の任天堂やソニーなども入っていたこともある。

 米調査会社ドウェル・ストラテジー&リサーチが1000人のハイエンド消費者(中央値:年収20万ドル)を対象に行ったお気に入りブランド調査によると、ここでもアップルは1位となった。ちなみにランキングではBMW、ポルシェなどが続いている。

 また、主力商品のiPhone5「S」と「C」では、両者に価格差をつけ普及版とハイエンド版と違う役割を持たせるなど、新たな戦略も採用している。

 さらに先を見通せば、眼鏡、腕時計などが中心になると見られる身に着用する「ウエアラブル」端末は次世代の重要な市場となり、ここでもブランド化が必要となる。

 そうしたタイミングでもアーレンズ氏の就任決定となった。

 アーレンズ氏は「新たに創造的なポジションでアップルに加わることを光栄に思っています」と話している。就任は2014年中。小売とオンラインの両方を統括する。

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