日本国債のタブー、大暴落しない理由 木曜日からでも間に合う週刊経済誌ランキング

 今週の週刊経済誌ランキング1位は、世界の中における日本の大学の位置付けを取り上げた「日経ビジネス」。日本では東京大学がトップで32位だが、ランク入りはごくわずかという現状で、今後の在り方を検証している。

 ◆1位 日経ビジネス 世界のトップ大学
 日本でナンバーワンの最高学府は東京大学だが、世界大学ランキング(クアクアレリ・シモンズ調査)では32位だ。一昨年25位、昨年30位。ここ数年はアジア圏でも他国の進出が著しく香港大学(24位)、シンガポール国立大学(26位)とアジア圏でもトップであり続けられなくなっている。果たしてこれでよいのか? サブタイトルに< 「東大」は生き残れるのか>と冠している。

 特集は東大の濱田純一総長のインタビューから始まる。「今の東大は、学生の潜在力を十分に引き出せていない」―― 危機感のある言葉で語られるのは、東大を含めた日本の大学の実状だ。日本語の壁、学期制度と問題点が語られる。そして、これらは多様性の阻害にも繋がっている。では、どのようにすればよいのか?

 「目指せ、世界基準」では日本の有名大学の取り組みが取り上げられる一方、経営者の視点として岩瀬大輔・ライフネット生命保険社長からの提言も述べられる。しかし、制度面だけで片付けられれば話はもっと早い。社会的な風潮にも問題がある。同誌のアンケート調査では、社会人の4割が「勉強しなかった」と回答するデータが挙げられている。
 
 海外の名門大学に入学した大学生の声は厳しい。「日本の大学では今以上の英語レベルの授業は受けられない」、「就活を優先するのは理解に苦しみます」など痛いところをついてくる。

 ◆2位 週刊ダイヤモンド 日本国債のタブー
 常に暴落が懸念されるが、事は起きない日本国債。そこには、知られざる大きなからくりが存在する。。国債を丁寧に解説しながら、国債のタブーにメスを入れる。

 なぜ、国債は大暴落しないのか。特集では大きく二つ挙げる。一つ目は、談合体質である。財務省、日本銀行、メガバンクが蜜月関係を続けているから。国債市場のヒエラルキーでは、財務省がトップ、メガバンク、生保・ゆうちょ・年金、地銀、信金、証券会社という順に続く。そのため、国債が行き渡る順番、量が違い「市場」とは名ばかりの談合体制となっているのだ。これは、買い入れ時にも同じ。

 二つ目は、入札至上主義。もし、完全な市場にすれば短期的には不安定だが、長期的には安定する。しかし、安定消化を最優先したために、入札の失敗が許されざるものになった。それは、入札さえ行なわれれば流通市場で暴落しても構わないと言わんばかり。こういったムラ社会の掟が日本の国債市場には存在するのだ。

 ◆3位 週刊エコノミスト 宗教と経済2013
 冒頭では「近代資本主義のあり方と日本経済への示唆」と題して、橋爪大三郎(社会学者)、大澤真幸(社会学者)、保坂俊司(比較宗教学者)の3氏が語る。資本主義とはどういった変遷を辿ってきたのか、経済と幸福とは、などのテーマが論じられ、独自の発展をとげた例としてイスラム・中国のシステムを挙げている。

 ◆4位 週刊東洋経済 おもてなしで稼ぐ
 インバウンド(訪日旅行)の大特集。題して「『おもてなし』で稼ぐ」。国別の入国者数ランキングというのがあるが、日本は増えてきたとはいうものの、現在33位。ちなみに観光大国1位フランスは8000万人超。2020年東京オリンピックの開催決定もあり、インバウンドの拡大が期待される。そこでどうやってこの成長市場インバウンドを取り込んで儲けるか。日本の「おもてなし」である。 

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