インサイダーの罪で刑事訴追されている、米著名ヘッジファンドのSACキャピタル・アドバイザーズが、検察当局に10億ドル以上の罰金を支払うことで基本合意した、米WSJが伝えた。同罪の刑事訴訟としては史上最高額となる見通し。
WSJによると、これまでの公判においては、SACは告発内容を否定してきたという。交渉内容については、検察、被告側ともにコメントを得られなかったという。今後の業務についても交渉には上がっている可能性がある。創業者スティーブ・コーエン氏自身は刑事訴追されていないという。ただし、コーエン氏自身の調べは続くともいう。
SACはすでに、米証券取引委員会(SEC)により民事事件として争い6億ドルの罰金を支払うことで和解している。この金額はSECとの和解金額では史上最高額となった。民事、刑事合わせて総額で約20億ドルほどを支払うことになりそうだ。
そのコーエン氏だが、コンテンポラリーアートの著名な収集家としても知られる。最近になってアンディ・ウォーホル、リキテンシュタインの絵をオークションに出品した。
コーエン氏の経済活動は活発で、ハンプトンに6000万ドルのペントハウスを購入、さらには、オークションでピカソの絵画を1億5000万ドルで購入している。しかし、このタイミングでの売却は流動性資金のねん出ではないか、との見方もある。