英富裕層の「趣味」による地下室開発が急増で規制へ

 英ロンドンのチェルシー、メイフェアーなどは世界有数の高級住宅街として知られるが、
近年は土地の権利ではなく、「地下の権利」が社会問題になっている。プライベート空間を
新たに作るために地下深く拡張していく建築計画が役所には数多く出され、ケンジントン&チェルシー王立区の当局は将来的に水害など災害時の安全面などで問題が出る可能性があると見ており、規制の立法化を検討する方針だという。

地下4階にフェラーリミュージアムも


地下室開発の一例
 表面の土地の権利はわかりやすいが、では、その地下は誰のものか。まさかこんなことが問題になろうとは20年以上前には想像もつかなかっただろう。問題が表面化してきたのは2000年以降になってからだという。

 英ロンドンの住宅は、世界の富裕層には安心できる資産として買い求められる高級住宅地
として知られるが、昨年からさらに価格は上昇し、英国以外からも、米、中国、シンガポール、インド、ロシアなどからホットマネーが集まる。国家統計によると、ロンドンの住宅価格は2012年7月から13年7月までの間に、9.7%増となっている。

 ロンドンの中心部に近い高級住宅街である、ケンジントン&チェルシー王立区では地下開発が問題に及んでいるのだ。歴史的にも保全地区となっているが、地価上昇のために拡充するためには、横や上に行くよりも地下にいく方が容易なために、それが新たなトレンドになっている。

 当局の行政資料によると、2000年以前はほとんどなかったのだが、現在は改築がなされているところも多く、地下2階、3階と掘り進んで改築している家もある。

 スイミングプール、ボーリング場、プライベート映画館、プライベートスポーツクラブなど様々な施設を増設している。なかには、地下4階にフェラーリの個人コレクションを飾るミュージアムを設置している家庭もあるのだとか。

 では、こうした地下開発はどれくらい多いのか。

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