米総合不動産サービス大手ジョーンズラングラサール(本社シカゴ)がまとめた2013年第3四半期の投資分析レポートによると、日本の商業用不動産投資額は、前年同期比139%増の87億ドル、円建てでは201%増の8570億円となったことがわかった。同時期の世界の商業用不動産投資額は、前年同期比25%増となる1250億ドルに上ることがわかった。これで1000億ドル超えは6四半期連続。
2013年第3四半期まで9カ月間の日本の投資額は、ドル建てで前年同期比68%増の295億ドルとなり、2012年通年の投資額(252億ドル)を17%上回った。一方、円建てでは109%増の2兆8420億円となり、2012年通年の投資額(1兆9850億円)をすでに43%上回っている。
日本国内は世界と比べても大幅に取引が増加しており、オーストラリア:13%増、中国:10%増、米国:21%増、英国:10%増、フランス:24%増、ドイツ:35%増と他国よりも活発な取引がなされている。また、主要都市が中心だった取引活動は地方の主要都市へ、さらに投資対象もAクラスからBクラスへと拡大しているという。
同社は、2013年通年の世界商業用不動産投資額の見通しを、従来の4500億ドル~5000億ドルから4750億ドル~5000億ドルへと上方修正した。
今後もさらに取引が活発化することが見込まれており、ジョーンズラングラサールリサーチの赤城威志・事業部長は「前年同期との比較では円建てで3倍の規模となっており、アベノミクス以降、引き続き不動産売買市場が活発であることを象徴する結果となりました。第2四半期まではJリートによる取引が多く、これが市場を牽引する形となっていました。しかし、第3四半期は、私募ファンドや海外投資家などJリート以外の取引が活発化し、これらのプレイヤーの市場参入チャンスが拡大していることを予感させます。また、第3四半期においては芝パークビルや、ティファニー銀座ビル等、話題性の高い大型高額取引が見られ、第4四半期における更なる市場の活発化が期待されます」と、分析している。