今週の週刊経済誌ランキング1位は「日経ビジネス」。読者の高齢化が進んでいることもあり、週刊経済誌でも「終活」や「相続」が取り上げられる機会は増えたが、今週は2誌が特集している。日経ビジネスは、「負の遺産」となる相続について、をテーマとしている。
◆1位 日経ビジネス 相続ショック
相続税増税が2015年に迫るなか、各誌「相続」に関する特集はけっこう組んできている。今週の東洋経済しかりだ。日経ビジネスも実は2月4日号で「庶民(あなた)が相続税を払う日」と題し、相続税が庶民を直撃する現実を紹介していた。
「この時の特集班には隔靴掻痒の気持ち」があったそうだ。なぜなら「相続の本当の落とし穴は、数字で分配できるカネの問題ではなく、カネの相続を終えたその後に展開する負の遺産」にあるから。例えば「賃貸用アパート」、「空き家になった田舎の実家」、「共有名義の不動産」、「分散した自社株」、「借金」、「愛人と隠し子」、「兄弟がニート」など。
編集部はこれらを「負の遺産」と名付け、リスク回避する手法や、心構えをそれぞれ解説する。一番の解決策は「親が生前、元気なうちに十分話し合っておくこと」だが。
◆2位 週刊エコノミスト 勝ち抜くための経済学
この特集は、経済学の基礎の基礎から学び、日本が抱える問題をQ&A形式で答えていく。問いは3パートに分かれているのだが「通説を疑え編」「今さらですが編」「言葉がわからん編」と堅苦しさはできるだけ排除している。
問いの内容は、「日本の農業は本当に弱いの?」「物価は低い方がいいのになぜインフレ2%を目指すのか」「ミクロ経済学とマクロ経済学の違いは」などなど。経済誌読者でも、正確に答えられるか微妙なラインをついてくる。人によっては、かゆいところに手が届いた特集かもしれない。
◆3位 週刊ダイヤモンド 頼れる病院ランキング
このランキングは、医療機能と経営状態で実力のある頼れる病院をアンケートと公表データから収集した独自の13指標で評価したものだ。
総合第1位は横浜市立大学市民総合医療センター。2位、千葉大学病院と東海大学病院、滋賀医科大学病院。医師数や病床数、医療機能も揃えやすい大学病院が強さをみせる。民間病院だと、5位に聖路加国際病院が入った。特集では、「機能で選ぶ病院」「先端医療に強い病院」「救急医療の頼れる病院」の三つのパートからも、症状に合わせた頼れる病院を導き出す。地域別ランキングも役立ちそうだ。
◆4位 週刊東洋経済 いま知りたい終活
各地で開かれる「終活セミナー」でも60〜70代の受講者が目立つようだ。「エンディングノート」や「遺言書」に、介護への希望や延命措置への考え方、葬儀で使う写真などなど、いろいろこだわりを記録する。終末医療や墓まわりだけではない。財産がある人は「相続」という後始末もある。そこで、この特集。
読者対象を団塊の世代と相続を意識するその子世代に絞った特集だ。第1章は2015年に増税が決まっている相続対策、第2章は「変わる葬儀・墓」、第3章は終活をめぐる世の中の動き全般とでもいうのだろうか、「終活セミナー」や「入棺体験」記事、そして柳田邦男さんへのインタビューと多様だ。