「富裕層増税」に怒る仏サッカーがストライキ決行

 富裕層増の議論で常に先行しているフランスで、同国のプロサッカーリーグに所属する選手たちが、年収100万ユーロ(約1億3000万円)以上の高所得者への税率アップに対して抗議の意味を込めて、11月29~12月2日までの間の試合をストライキすることに決めた。ストライキは1972年以来40年ぶりのことになる。


パリ・サンジェルマン
 仏オランド政権は来年から、年収100万ユーロ以上の高額所得者に対して最高税率75%を課すという大増税を行う計画だが、すでに憲法裁判所の決定を受けて個人に課すことはできなくなっている。しかし、修正案として雇用主が支払うなどの内容となった。

 いずれにせよ、選手個人の給与面に何らかの影響を与えることは確実視されており、ボイコットに踏み切ることになった。

 カタール王室一族がオーナーとなり、世界でも屈指の「金満クラブ」とも呼ばれるようになった、パリ・サンジェルマンには、ズラタン・イブラヒモビッチ選手が年俸1500万ユーロ、エディソン・カバーニ選手が年俸1000万ユーロと10億円プレーヤーが複数所属している。クラブが弱体化することや、スター選手の国外流出なども懸念され、反対意見が多い。

 AFP通信によると、仏1部リーグ「リーグ・アン」でこの税率が適用される選手は14チームで、120人ほどだという。クラブの税負担総額は4400万ユーロと現段階では試算されている。

 大富豪ドミトリー・レブロフレフ氏がオーナーとなり、補強を進める上に租税回避地(タックスヘイブン)に本拠地を置くASモナコだが、公平ではないとの声も多く出ており、本拠地移転などの圧力があるという。

 税金はすべての国民が対象となるだけに、サッカー界にも大きな波紋を広げている。

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