米富裕層の寄付が少ない理由「金持ちではない」

 金持ちは一般層よりもなぜ寄付が少ないのか、その答えが米国で明らかになった。「U.S. Trust」がこのたび発表した資料によると、寄付に熱心でなかった富裕層の4割が「寄付するだけの十分なお金を持っていない」と考えていることが判明した。

中流階級は寄付に寛大

 寄付金額が少ないことは、米国の慈善団体「the chronicle of philathoropy」が毎年発表する報告書の中で発表されていた。まず、2012年の1年間で全米で寄付金額は総額1358億ドルに上った。

 寄付者の中央値は年収5万4783ドル、寄付額2564ドル、収入に占める割合は4.7%という結果が出ている。

 階層を3つの所得層に分類しているのだが、最も上のカテゴリーである収入20万ドル以上の人は収入に占める割合が4.2%にとどまる。また、10万ドル以上の人も同様に4.2%だった。最も下の階層に位置づけられている5万~9万9999ドルの人が6.0%と最も高くなった。下は、平均寄付金額と、平均年収と、合計寄付金額を比べてみた。

          平均寄付 平均年収 合計寄付金(単位:ドル)
 
20万以上     1万4088 33万9323  396万5244

5万~9.99万    2047  3万3985   1932万2251


 これを見る限りにおいて、中流階級は寄付に対して寛大だが、高所得者層は寛大ではないということが結果に出ている。

 もちろん収入以外にもユタ州などのように、宗教的な理由から7%以上の寄付を行う特別な州もあるが、マサチューセッツ州、ニューイングランド州など3%未満の州もあり、収入だけでは図ることは難しい。毎年、ほぼ同じような傾向となっており、理由は明らかにされていないままだった。

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