資産63億円、中国で「大気汚染長者」誕生、今後もゾクゾク誕生か

 大気汚染が深刻な中国の北京。フォーブス長者番付中国版で上位400人に、皮肉にも「大気汚染長者」が誕生した。

 それは、北京の環境モニタリング機器開発会社「SDLテクノロジー」の創業者であるAo Xiaoqiang氏だ。総資産は推計で6500万ドル(約63億円)で、347位となった。

 今年上半期の業績は、売上高が前年同期比37%増の3150万ドル、純利益が同21%増の570万ドルになった。おかげで直近1年間の株価は138%の上昇となった。昨年末からは、3倍近い上昇となっているのだ。

 Ao氏は、中国の工業大学を卒業後に、エンジニアとして働いた後に1986年に起業。昨年3月に上海株式市場に上場を果たした。


今年1月の北京の模様
 業績が好調な裏には、それだけ深刻な事態がある。今年1月には、北京では外出する市民が防護マスクを着用しなければならないほどひどかった。これは、空気中の発癌性物質の濃度が1立方平方メートルあたり900マイクログラムと、環境基準の約20倍以上という危険なレベルにまで達していたからだ。

 政府は、子供の屋外への外出を避けるよう警告したり、汚染源である工場の操業を一時的に停止するよう命じたり、大騒動となったほど。

 環境汚染がビジネスになる、と言われ続けてきた中国。著名投資家ジム・ロジャーズ氏も、言い続けてきた。今後も中国から、汚染長者がどれほど誕生するのだろうか。

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