ベイン&カンパニーは28日、「世界の高級品市場レポート」 を発表し、2013年通期の市場予測を5月に発表した4~5%から、6%に引き上げた。全世界の高級品売上高を2170億ユーロ(約2993億ドル)とした。日本市場は急激な円安によって、12%減少見通しだという。
全体として世界中で高級品への支出は、北米と南米が大きく寄与し、4%増加を見込んでいる。これは、ラスベガスやロサンゼルスなどの西部の都市を訪れる中国人観光客が増加しているという要素や、米国人が国内外で高級品に支出しているという。
また、中国は世界の高級品購買の29%を占めているが、今年の同国の高級品売上高は2.5%増で前年よりも急落する見通しで、急激な伸びが止まったとの見方が出てきた。東南アジアが11%の伸びで、シンガポール、マレーシア、インドネシアが台頭してきた。
ヨーロッパは、欧州国籍によって遅い支出を打ち消す観光客の支出増加によって2%の増加となった。
その他では、中東が5%成長を維持したままで、相対的に強い。サウジアラビアは、地域で二番目に大きい高級品市場であり、ドバイも堅調に推移している。アフリカは、アンゴラ、ナイジェリアなども次世代の市場として育ちつつある。
近年急成長しているオンラインの売上高は年間28パーセントの年間成長率で来ており、高級品の売り上げの約5%に達している。ドイツ一国の高級品市場に並ぶまでに達している。オンライン販売での売れ筋は、クツだという。今後のブランドのセールスを伸ばす上で重要なチャネルになるとしている。
◆カテゴリー別売上高と伸び(単位はユーロ)
皮革 360億 5%
クツ 130億 4%
紳士服 270億 2%
婦人服 260億 1%
香水 200億 2%
コスメ 230億 2%
宝石 130億 5%
時計 360億 1%
合計 2170億 3%
◆他のカテゴリー
自動車 3190億 6%
ワイン 550億 8%
ホテル 1380億 9%
食品 390億 3%
家具 190億 -1%
ヨット 70億 0%
◆市場別売上高
欧州 740億 2%
米国 690億 4%
日本 170億 -1%
アジア 460億 4%
その他 110億 6%