新たな詐欺「ウェブインジェクション」 木曜日からでも間に合う週刊経済誌ランキング

 今週の週刊経済誌ランキング1位は、暴力団との取引の問題に揺れるみずほ銀行を特集した「週刊ダイヤモンド」だった。興銀、富士銀、第一勧銀の3行が合併してできた銀行。それぞれを思い出すと、いろいろな事件が思い浮かぶ。富士銀の赤坂支店での詐欺事件、興銀の尾上縫の事件、そして第一勧銀の総会屋事件。それらを総まくりして、現状の問題を洗い出している。

 ◆1位 週刊ダイヤモンド 【緊急特集】みずほ なぜ過ちを繰り返すのか
 銀行内部の不正を扱ったドラマ半沢直樹の熱も冷めぬまま、現実社会でも銀行が世間を騒がせている。みずほ銀行の暴力団融資問題である。28日には、業務改善計画が提出された。世間を賑わすこの問題を週刊ダイヤモンドが見逃すはずがない。

 記者会見での発言が二転三転し、問題が問題をよんでいる現在。もともとの話はこうだ。みずほ銀行がグループ傘下のオリコと行っていた提携ローンの顧客に、暴力団が紛れ込んだが、それを放置。さらに虚偽の説明を行なって火に油を注いだ。なぜ、放置したのか。提携ローンの信用性の低下や、利益相反などがあげられる。しかし、これまでにも不祥事を起こしてきたみずほの、根本的な問題は、組織にあるとするのが同誌の主張だ。

 日興、富士銀、一勧の合併で生まれたが一つに、とは到底いかず足の引っ張り合いが日常茶飯事。旧行それぞれのトップたちの思惑から、自分より優秀な人材は排して、お気に入りを人選。また派閥による縄張りもでき、溝が生まれていった。こういった体質が、今日に至るまでの不祥事を起こしてきたのだ。

 ◆2位 週刊東洋経済 本当に強い大学
 また、大学特集だが、やっていないのは週刊エコノミストくらいか?

 今回、特にスポットを当てているのが、海外でも通用する人材を輩出できるかどうか。『日経ビジネス』10月14日号「世界のトップ大学」と被るところがある。世界大学ランキングで東京大学が23位だが、それに比べてどれほど海外の大学はすごいのか、メリットがあるのか、留学している学生のコメント付きで語られている。

 ◆3位 日経ビジネス 総点検 消費増税
 消費税率が上がると、実際のところどうなのか。家計にどのくらい直撃するのか? 「総点検 消費増税」と題した特集を組んだ。日本経済、そして家計に起こりうる変化を考えようというわけだ。

 特集では、色々な変化が説き明かされている。例えば、家計に関係のありそうなところで、まず家計への負担は、月額1万円の増加を考えた方がいい。その際、どのような節約をするべきかを家計再生コンサルタントの横山光昭氏が答える。ポイントは「何を削るか」ではなく「全体から少しずつ」。固定費は削減が長続きするので重要だ。

 また、電子マネーの活用もキーポイントとなってくる。8%になるとキリのよい数字になりにくい。その場合、切り上げるか切り下げるか。企業か消費者のどちらかが割を食うことになる。しかし電子マネーは、1円単位の値上げをスムーズに行なえ、消費者の負担も少ない。電子マネーか現金かで値段が変わる、一物二価の時代は近い。

 ◆4位 週刊エコノミスト 相続とお金のトラブル
 先週は東洋経済が「終活」、日経ビジネスが「相続トラブル」で、それぞれ相続に関する問題をとりあげた。今週は週刊エコノミストが「相続とお金のトラブル」を特集している。エコノミストは、今年5月にも「不動産と相続」をテーマにしており、相続税増税でこの分野に関心を寄せる層が広がる世相を感じさせる。

 さて今週は、「相続」だけにフォーカスしたものではなく、相続・老後・投資・詐欺の四つにまつわるお金のトラブルの最新事情と対策を紹介するもので、年配者向けだ。

 最後は「詐欺」。最新のネットバンキング詐欺「ウェブインジェクション」なる新たな手口の日本上陸を知らせるほか、詐欺する側の名簿収集についてなどの覆面座談会がちょっと興味深い。

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