最新版 会社の寿命18年 木曜日からでも間に合う週刊経済誌ランキング

 今週の週刊経済誌ランキング1位は、事業承継を特集した「週刊ダイヤモンド」。今週は4誌
で、会社の継続性と自動車の未来の二つにテーマが別れた。事業承継というとテーマは地味だが、高齢化が進む日本ではその一大集団を形成する団塊の世代が65歳を迎え、本格引退するとあって喫緊の課題。同誌らしくケーススタディやハウツーなど無難にまとめてある。

 ◆1位 週刊ダイヤモンド 完全対策 事業承継
 帝国データバンクのデータによると、後継者不在を理由とした中小企業の廃業は年間約7万社に上る。その結果、毎年20万~35万人の雇用が失われる。企業を取り巻く環境変化もあり、
「10年後には日本の中小零細企業は壊滅している」との悲観論もある。

 オーナーの年齢が50~59歳の場合で80.4%、80歳以上でも34.6%の中小企業で「後継者がいない」というデータがある。目の前の事業を追ううちに事業承継の準備が疎かになっている現実がある。こういう特集から後継者育成などが踏み出されるかもしれない。町の不動産屋さん、病院経営者、製造業から老舗店舗まで、身近な事例も満載だ。

 ◆2位 週刊東洋経済 スマートカー巨大市場
 自動車にまつわるトレンドは大きく三つ。一つ目は「自動運転」。今、世界的自動車メーカーが集結している場所は、ITベンチャーの聖地でもあるシリコンバレーだ。最新技術を自動車に取り込む動きが盛んで、その一つが自動運転。自動車メーカーだけでなく、グーグルが自動運転車プロジェクトを立ち上げ、2017年の実現を目指している。

 二つ目は、「電機との融合」。三つ目は「燃料電池」。

 ◆3位 日経ビジネス 最新版 会社の寿命
 いまから30年前の話。当時「会社の寿命は30年」と打ち出して経済界に話題を振りまいた。そこで30年経った今年、この企画が再びやってきた。

 では、「最新版 会社の寿命」はどれくらいになったのか。答えは18年。ここまで短くなってしまったのには三つの視点を失ったからだと本誌は投げかける。一つ目は「創業者視点」。二つ目は「顧客主義」。三つ目は「共創視点」。

 面白いのが、佐々木正・元シャープ副社長がシャープの敗因として語る。「独創はできた」と前置きをした上で、自信過剰が招いた国内自前主義を挙げる。日本企業はこれらの視点を取り戻すことができるのか。成功例として日本電産の例があげられているのが興味深い。

 ◆4位 週刊エコノミスト 自動車サバイバル
 エコノミストは東洋経済とは違い、業界再編の始まりという観点でとらえた。東京モーターショーを前に、2誌が自動車ビジネス関連のテーマを持ってきたが、自動車業界に登場したキラーコンテンツ「自動運転」の存在も大きい。

 しかし、現実はそんなに甘くないと言うのが、同誌のポイントだ。インフラを含めてどの技術に集約されていくのかまだ先は見えないし、伸びる新興国市場で求められるクルマはまた別の方向性を持つ。自動車産業は、それぞれの市場に合わせた自動車づくりが求められている。高付加価値の追求に失敗した電機メーカーの二の舞にはなりたくない、というメーカー幹部の言葉は業界の本音だろう。

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