「デート商法」とは現代でも広く知られるようになった言葉だが、かつては、アート、ジュエリーなどが主な商材であったが、最近は投資用ワンルームマンションが商材となっており、警察や弁護士事務所にも被害相談が寄せられており、今週に入り、東京都がHPで注意を呼び掛けるまでになっている。
東京都のHPには「知り合ったばかりの異性、どこまで信じますか?~恋愛感情を悪用した投資用マンション購入の勧誘に注意~」とある。
それも数年前の話で、現在はSNS、有料の婚活サイトや出会い系サイトを利用して、マンションを勧誘するのだという。東京都内の具体的な業者名も、当サイトには入っているほどなので、ご存じの方も多いかもしれない。
東京都にはいくつか相談が寄せられているが、いくつか事例を紹介する。
30代男性Aさんは、婚活サイトで知り合った女性とデート。数週間後に再び女性に誘われてデートすると、女性の職場関係者を名乗る不動産業者の男性を紹介される。その男性から、投資マンションで成功している事例を聞かされ、2500万円以上の投資用マンションを35年ローンで購入したという。
40代女性Bさんは、SNSで知り合った男性と数回デート。結婚の話も出るようになり、投資用マンションの購入も勧められた。不動産会社と約2800万円の物件を購入契約。男性からは「節税ができる。家賃収入が入り続けるので将来は年金の代わりになる」と良い話ばかりされたが、その後、男性の勤務先や住所が嘘だったことがわかった。現在は解約を希望しているという。
40代女性Cさんは、セミナーで知り合った男性から勧められて2500万円以上する投資用マンションの物件を複数購入。業者から渡された契約書に「契約から8日間はクーリングオフができる」との記載があるので、クーリングオフしようかどうか悩んでいるとか。
名簿などの個人情報がなくても、SNSなどインターネット上で新たな交流ができるために、新規顧客獲得には困らないようだ。
デート商法は以前は男性がターゲットになっていたが、今の顧客は女性も多いのだというのも特徴だ。不自然な経緯ながらも、恋愛感情から「2人の将来のために」「残り1件」などのうたい文句に乗ってしまうようだ。
東京都は、そもそもの経緯から見て不自然な点はないか、また、勧められたマンションが投資として適切な物件なのかよく考えることが大切だと注意を呼び掛けている。