小泉氏「反原発」発言の背後にある「組織」

財界総理たちがバックに、トヨタの意向も?


奥田碩氏
 同センターは、理事長に政治・経済評論家の田中直毅氏、会長には元トヨタ会長で元経団連会長の奥田碩氏が、また理事にも御手洗冨士夫キヤノン会長兼社長ら、そうそうたる面々がそろっている。

 小泉氏はセンターでの肩書きこそ顧問であるが、「政界を引退した小泉氏を支えるために立ち上げられた団体で、財界が資金を集めたようです。特に発起人は奥田さんで、何の意向もないのか、とは言い切れません」とマスコミ関係者が言う。

 活動は同センターが後ろ盾にあり、8月のオンカロ視察の際には、不思議なことに東芝、日立など原発プラントメーカーも帯同だったそうで、財界とは蜜月を保ちながらも、意図が不明で謎も多い。

 しかし、トヨタと言えば、2011年5月に豊田章男社長が決算発表の場で、中部電力が浜岡原子力発電所を停止したことに触れ「迅速な決断に対して敬意を表したい」と述べたのだ。と同時に「顧客として安定したエネルギーの供給をお願いしたい」とも述べており、態度はわかりかねる部分はある。

 「あそこは特に会見や懇親会の話も聞いたことがないし、真意はわかりませんが、
財界の反原発の別動隊、つまり、次世代エネルギー利権としての役割があるのかもしれません。あと、これは、言いすぎですが、小泉さん的にはあわよくばノーベル平和賞を狙っていたりするのかもしれません」(前出マスコミ関係者)

 ノーベル平和賞はアル・ゴア米元副大統領のような引退後に受賞の事例もある。

 ともかく再び存在感が出た小泉氏、謎を残したままで、今後の動きにもいやが上にも注目は集まる。

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