福島第一4号機燃料棒取り出し、懸念される作業員の命と金

 東京電力福島第一原発4号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業が、きょう18日午後からスタートする。1533本の燃料を1本ずつ取り出して、キャスクに入れて供用プールまで運ぶ作業。しかし、いっさいの失敗は許されない作業が続く中で、命と金の重い負担が作業員にのしかかる。


(東電撮影)
 同原子炉4号機の中のプールには、使用済みと見使用合わせて1533本の燃料棒が沈んでいる。プール内でクレーンで吊りあげて、同じくプール内にあるキャスク(容器)に入れて、キャスクを地上1階まで下ろして、供用プールまで運搬して保管する。ここまでが一連の作業となる。

 ただし、燃料はすべて事故前の正常な状態にあるか判明しておらず、損傷している可能性もある。さらには、細かながれきを取り除く作業はできておらず、損傷させないで通常の状態で取りだせるかどうかは、始めてみなければ何とも言えない。

 そして、最大の課題は作業員確保でもある。

 地元記者は「地元の派遣業者から聞いた話ですが、作業員の被ばく線量のがすぐに基準値まで来てしまうので、もう経験の少ない作業員に頼らざるを得ない現状です。あとは日給の搾取など金銭面も問題です」と話す。

 東電の広瀬直己社長は先日、作業員の日当を1万円から2万円への上乗せすることを述べたが、金銭面だけでは人材の確保は難しい。これが何十年続くかわからないので、海外からの人材確保も考えなければならない状況が来そうだが、東電は海外からの人材起用はまだ考えていないことを明らかにしている。

 今回の作業は廃炉に向けての最初の大きな節目。熟練の作業員が担当するというが、失敗が許されない中で生じる極度の緊張感は想像だにしない疲労を呼ぶ。まずは、大きな節目の第一歩を確実に成功させたいところ。

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