「おせち騒動」から3年、グルーポン社風「光通信からIT系に」

 3年前におせち騒動を起こしたグルーポンジャパンは21日、「夢のおせち」プレゼントキャンペーンを開始した。騒動以降はおせちの取り扱いはしてこなかったが、これまで事業を継続できた感謝の気持ちとしてユーザーにプレゼントを実施する。騒動以来、沈黙を保ってきた同社だが、会社はどのような変遷をたどってきたのか。

 2010年年末に発売し空けて2011年に、おせちが正月までにすべて届かない上に、スカスカでおまけに食材の偽装が行われるなど散々な結果となり、広く報道され世間から関心を集めるまでになった。おせち料理は定価2万1000円で、500人集れば半額の1万500円で購入することができた。横浜の人気レストランで使用している高級食材を集めたという触れ込みだった。

 この件では、米グルーポンのアンドリュー・メイソン氏が正式謝罪し、2月には、横浜市のおせち提供会社に対して、消費者庁と横浜市から景品表示法違反に該当するとして、措置命令を受けるなどした。

 2008年に米国で立ちあがったグルーポンのサービスは今後の成長産業と期待を集めるまでになっていた。2010年に、前身のクーポッドを買収しグルーポン・ジャパンとなった。フラッシュマーケティングと呼ばれ、1~3日程度の短時間で集客と販売を行い、複数のユーザーが共同購入を行うという方式を取って注目を集めた。

 米本社はナスダック市場に上場しているが、非公開時にはグーグルが5000億円で買収のオーファーを提示するなど注目を集める存在だった。

 だが、商材ラインナップをそろえることが重要であり、営業マンの力量が重視されてきた。当時のスタッフは「IT系企業だと思って働き始めたのですが、実際はゴリゴリの営業系の会社でした。販売ノルマもあって、前CEOが光通信出身ということもあるのでしょうが、その雰囲気を引きずっていた感じです。さすがにハチマキまでは巻いていませんでしたが…」と語っていたことがある。

 店舗と営業現場との間のトラブルは表ざたになったものも多かったが、営業は売上ノルマをこなすだけではなく、新体制では顧客満足も評価の指標が用いられることになったそうだ。また、他にも、商材のチェック項目は以前は30だったが、現在は200に増やし、さらには、外注していた校正も内製化、パートナー企業との連絡もメールや電話で密にして、内容を齟齬をきたさないようにするなど、社内改革を矢継ぎ早に行ってきた。

 2012年8月にCEOに就任した、根本啓氏はおせち騒動を第三者として見ていたが、「外部にいましたが、新しいサービスで注目していただけにとても残念に思っていました」と述べた。


グルーポン・ジャパンの根本啓CEOとおせち を担当したジョセップ・バラオナ氏(左)
 おせちも扱うことはなかったが今回扱うことについて、根本CEOは「おせちをプレゼントしたからといって、不安や不信を払しょくできたとは考えていません。本当に不安や不信を払しょくするためには、一つひとつのディールを質の改善でしか軽減できません」と、みそぎは終わっていないことを強調した。

 騒動後は一時、国内業界シェアでは、リクルートのポンパレに逆転を許すなど苦しい場面もあった。また、米国では今年に入り、業績不振のため、創業者アンドリュー・メイソン氏がCEOを解任されるなど、立ち上げ当初の思惑どおりとはいかない。

 品ぞろえの質量の強化や、購入者の4割以上を占めるまでになったモバイルの強化を行うなどを事業の柱に展開していくという。また、営業についても、やみくもに人員を増やすだけでなく、効率化も図ることも明言した。今回のおせちプレゼントはそのスタートになる。

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