相続税60億円と17億円、戸田建設創業家の危機

相続税60億円と17億円

大一殖産  3640万株 11.28%
戸田順之助 3102万株  9.61%
戸田守二  969万株  2.97%
三宅良彦  708万株  2.19%

 ただし、相続対策は十分かと言えばどうか、順之助氏も見通していなかったかもしれない。
ちなみに、25日終値ベースで計算すれば、株式時価は次のようになる。

順之助氏 約120億円
守二氏  約35億円

 2015年からは最高税率が55%に上がるため、まだ50%の適用範囲内。それぞれに税率50%が適用されるため、60億円と17億円以上をそれぞれ、10カ月以内に国庫に納めなければならなくなる。これだけのキャッシュを用意するのは到底難しく、売却も難しい。

 ある税理士は「個別の事情はよく知らないが」という前提で、「一族支配とも絡んでくるので、売却は難しいし、資産管理会社が買い取るか、財団などに寄付するかという方法が一般的でしょうね」と話す。

 そうなれば、同社の筆頭株主である、戸田家の資産管理会社である「大一殖産」(社長が長男の秀茂氏)が買い取るか、もしくは、公益財団法人「戸田育英財団」への寄付という形が順当だと思われる。

 他にも、渋谷区内の豪邸もまだ戸田会長の本人名義となっているところも見ると、相続対策はまだ進んでいなかったようにも見受けられる。ちなみに、こちらの豪邸は土地だけで十数億円と見られる。

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