新規ヘッジファンドは優秀も、最初の1年は22%が損失

 英調査会社プレキンの調べによると、2007年以降に開始したヘッジファンドは、最初の3年間の平均年利が8.80%で、従来からあるファンドの5.38%よりも平均的に上回っていたことがわかった。しかし、最初の1年間は不安定でボラティリティが大きく、大損も覚悟しなければならず、その点を我慢できるかどうかに資産運用の成否がかかっている、とも言えそうだ。

 2012年は新規に設定されたヘッジファンドが調査開始以来で最高となり、274人のファンドマネージャーが新規でスタートした。今年2013年に入ってからも数が多く、11月15日時点において、231人がスタートしており、昨年よりは若干少ない程度の水準になる見通しだという。地域では北米が70%と最多だった。

 運用資産総額の規模は1億~2億4900万ドルが40%と最も多く、それ以下で全体の60%以上を占めた。中には、10億ドル以上の規模も12%あった。

 さて、リターンの方だが、新規ファンドと既存ファンドの主な戦略別の2007年以降のリターンを次に見てみることにする。6つの戦略の中で、新規が負けたマルチのみという結果が現れた。それも、わずか0.04ポイント差の負けだった。
 
  戦略      新規   既存

ロング&ショート  8.80%  5.38%

イベントドリブン  10.45%  6.98%

CTA       2.30%  0.05%

リラティブバリュー 7.48%  6.10%

マクロ       5.49%  3.90%

マルチ       7.51%  7.55%


(プレキン公式HPより)
 新規スタートのヘッジファンドが、既存のそれよりも優秀なスタートを切っていたことが十分にわかるだろう。

 ただし、新規の22%はマイナスになる。つまり5人に1人はマイナスという点で、最初の1年を多めに見ることができるかどうかが、投資家の我慢のしどころと言えるだろう。

 プレキンは「最初の3年の初期パフォーマンスは重要で、基礎を形成し、投資家からの追加を受けるかどうかの判断材料になる」としている。

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