19日朝、餃子の王将を展開する、王将フードサービスの大東隆行社長(72)が、京都市山科区の本社前の路上で倒れているところを発見され、病院に運ばれたが意識不明で心肺停止状態となり死亡が確認された。
大東氏は、王将の創業者である加藤朝雄氏を義兄(実姉の夫)に持つ。1969年に請われて入社し、餃子の王将の1号店の現場に立った。2000年から社長となり、経営再建に乗り出して、不採算店舗を整理するなど経営を立て直しその後の王将ブームへとつなげる道筋をつけた。
現場の叩き上げ社長らしく、店長に最大限の裁量を持たせるなど工夫をこらし、世のデフレ経済にも乗って、店舗を各県に広げていき売上高も倍増させていった。また、有利子負債480億円も現在は100億円未満にまで圧縮させた。就任中には、大証1部上場も成し遂げている。
大東氏は、朝5時半から掃除を行うことが日課だった。
売上高 経常利益
00年 394億円 42億円
01年 390億円 34億円
02年 397億円 36億円
03年 385億円 38億円
04年 394億円 39億円
05年 432億円 46億円
06年 457億円 52億円
07年 472億円 52億円
08年 497億円 52億円
09年 549億円 61億円
10年 576億円 66億円
11年 683億円 99億円
12年 710億円 92億円
13年 743億円 90億円
今後の後継だが、創業家の加藤家から出ると見られる。順当ならば、創業家3代目の貴司氏(40)となるのだろうが、ウクライナ出身の夫人が、貴司氏が失踪してから5年になることを写真週刊誌フライデーに告白している。内部昇格となりそうだが、名物社長の突然の死は会社、現場に大きな衝撃を与えている。
◆加藤家の王将持ち株数と比率
加藤欣吾 151万8000株 6.5%
加藤梅子 61万1000株 2.6%
加藤ひろみ 60万2000株 2.6%
加藤潔 31万3000株 1.3%
加藤貴司 26万7000株 1.1%
※敬称略