相続不動産が、国家によって徴収される。韓国で、日本による植民地時代に「侯爵」の地位にあった朝鮮王朝の王族、故・李海昇(イ・ヘスン)氏から、孫が相続を受けた不動産が「親日財産」にあたるとして、国家に帰属するという高裁判決が言い渡された。朝鮮日報が伝えている。
ソウル市街(本文とは無関係)
この制度は、「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」と呼ばれ、2005年に国会を通過して成立した。通称「親日法」と呼ばれ、日本の統治下時代に取得した不動産で、それが現代に相続されたものは、国家に帰属することができるというものだ。
調査にあたっては、国の独立した機関である調査委員会が、調査対象者を決定し、家系図を作成して子孫たちと保有財産を確認して、日本統治下時代に取得した不動産や財産などに調べていくという。
その際には、相続人が多岐にわたっており、さらには、様々な取引がなされていたりすることもあり、トレースに多大な時間を要するそうだ。もちろん、それらを確定させても、不動産所有者たちが、決定を不服として司法の場に打って出ることもある。
最大の問題は、やはりすでに何らかの取引がなされて、第三者に所有が移動している場合だという。裁判所に保有する不動産の処分禁止の仮処分申請を行うそうだが、その効力があるのは、まだ第三者に移動していないものに限るなど、難しい点もあるそうだ。
2009年に聯合通信が伝えたところによると、調査委員会は4年間の一応の活動を終えて、調査対象者451人のうち77人の土地553万77460平方メートルについて、国への帰属決定を出したという。その相続土地の時価総額は1350億ウォン(約135億円)に上るという。そのうち訴訟になったものもある。
これなら、日本の相続の方がまだマシだろう。