世界の不動産資産の3%程度に相当する5兆3000億ドル分は、資産3000万ドル(約30億円以上)の超富裕層約20万人が所有していることが、英大手不動産会社ザビルズの調査で明らかになった。有効な不動産に限れば、7%に割合は上昇する。
総資産3000万ドルの超富裕層は、UBSとウエルスXの共同調査で約20万人とされている。
2013年は近年では最もプライベートエクイティなどが不動産市場でも扱う金額と増やしたが、超富裕層の個人の資金は大きな力を持つにいたっており、ザビルズのヨラン・デバーンズ氏は「2008年のリーマンショック以降、不動産市場において、個人の富裕層や投資家が重要なプレーヤーになってきています。世界の主要都市では、個人マネーが機関投資家が取るリスクの高い投資などに取って代わるようになっています」と述べている。
また、世界の富裕層の不動産資産の保有割合だが、次のようになる。
富保有率 総資産額 不動産比率 不動産資産
欧州 28% 76.75兆ドル 31% 2.39兆ドル
アジア 24% 65.90兆ドル 27% 1.80兆ドル
中東 3% 8800億ドル 26% 2310億ドル
オセアニア 2% 4850億ドル 16% 790億ドル
アフリカ 1% 3500億ドル 10% 370億ドル
南米 8% 21.10兆ドル 7% 1570億ドル
北米 35% 96.80兆ドル 7% 6330億ドル
北米が世界の富裕層人口の35%を占めるが、資産に占める不動産比率は7%と低く、金額も6330億ドル。しかし、欧州は13%と割合が上昇し、2兆ドル以上保有している。他に、アジア、中東などは自国の不動産を保有できない国もあり、海外不動産取得には熱心な富裕層も存在し、割合は高い。