法務省は、相続で配偶者による家事や介護を尊重し、遺産分割の際に有利な仕組みを検討する作業チームの初会合を行なった。「婚外子」の相続に関する民法改正などもにらみ、一方で声も大きかった、資産の創出や維持に貢献度の高い「配偶者」や「嫡出子」を尊重しようという配慮がうかがえる。
民法の相続法制は1980年に、遺産相続の際には、配偶者の割合が3分の1から2分の1に引き上げられているが、それ以来の本格的な見直しとなる。
昨年、「婚外子」の遺産相続を巡って、最高裁で「嫡出子」と同等に位置づける言い渡しを行い、民法改正へ向けて進んでいる。そうした動きとは一方で、資産や富を創出し維持してきたのは、配偶者や嫡出子であるという日本の家族制度の良い点を主張する声も根強い。
現在の民法上では相続割合は次のようになっている。
配偶者のみ 100%
配偶者と子供2人 配偶者50%、子供2人で50%
配偶者と母親 配偶者3分の2、父母で残り
常に配偶者は相続対象者となっているが、遺産の分割によって家を出て行かざるを得ないような実態があったり、そうした事態を招かないような居住権を保護する措置も検討するという。