小保方晴子さん、「リケジョ」各種データから見ても理想像

 30歳の小保方晴子(おぼかた・はるこ)さんが、万能細胞「STAP細胞」を世界で初めて作ったことで衝撃を与え、発表から一夜明けても熱は収まりそうにない。理系で活躍する女性「理系女子」(リケジョ)は、何を考え、どのようなきっかけで進むのか、過去のデータを基に明らかにしてみた。


理化学研究所HPより
 まず、理系進学希望の中学生が、将来有望な分野として、61.8%が「遺伝子工学」(栄光ゼミナール調査)を挙げており、今回の発見がいかに勇気付けるものであるかを物語ってもいるようだ。

 ロレアルが2011年に発表した「理系女子学生の満足度に関する意識調査」(18~29歳の理系女子1000人を対象)によると、理系を選択して、8割が満足と回答している。選択の理由は両親や兄弟の影響が大きく、尊敬する科学者は女性として世界で初のノーベル化学賞受賞者となったキュリー夫人が1位で、アインシュタイン、トーマス・エジソンが続く。

 また、調査時期が東日本大震災の直後だったこともあり、もし国家予算を任されたら何に注力したいか、との問いには、「東北の復興」18.9%、エネルギー問題18.0%となった。

 理系の良さをわかってもらうために必要なアプローチは何かという問いに、「理系分野で女性が活躍している様子を社会に広く知らしめる」(25歳、沖縄)という意見があったが、小保方さんの活躍はまさに言い得ているようだ。

 女性科学者を増やすために必要な施策は、約6割が職場での出産・育児・復職の支援制度と回答している。

 では子供時代だが、どのような中学時代を過ごしたのであろうか。栄光ゼミナールの2010年の「理系女子」に関する調査にデータがある。

 得意科目は理科が74.1%、数学は72.0%。一方で社会は得意33.9%、不得意41.8%と苦手としていた。小保方さんが進んだ理工学部を目指す人は、数学は79.6%が得意と答えている。また、理系進学を決めた時期は中学時代が最も多く31.2%だった。

 今後市場が伸びると思う先端技術の分野の問いに最も多かったのが、「遺伝子工学」で61.8%だった。小保方さんが、まさにその道を切り開いた瞬間が、その数年後に訪れるのであった。

 また、データにはないが、会見でヴィヴィアン・ウエストウッドの大きな指輪をつけたり、研究室にムーミンの大きなイラスト掲げるなど、30歳という若さならではの独特の明るいビジュアル要素を付け加え、辛気臭さを払しょくしたことも見逃せない。

 最後に、志願する大学のランキングを並べておく。

◆理系女子の志願度ランキング
(関東)
1 千葉大
2 北里大
3 東京農大
4 日本大
5 東京理科大
6 慶応大
7 明治大
8 筑波大
9 早稲田大
10 首都大学東京

(関西)
1 大阪府立大
2 大阪市立大
3 神戸大
4 大阪大
5 近畿大
6 同志社女子大
7 立命館大
8 京都大
9 大阪薬科大
10 京都薬科大
※リクルート進学創研調べ(昨年2月発表)

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