シンガポールの大富豪ピーター・リム氏の前夫人であるテオ・フォン氏が、英銀行大手HSBC口座に預けている資産運用に失敗したとして、損害賠償を求めて同銀行をシンガポール地裁に提訴したことがわかった。
シンガポールの地元紙によると、テオ氏はいくつかの海外口座などプライベートバンク口座を保有しており、その一つをHSBCに保有していたという。HSBCの運用担当の行員から高いリスクを取らされて、20万シンガポールドル(約1620万円)を失ったという。
まず、テオ氏の前夫であるリム氏は、スペインのプロサッカーチーム、バレンシアの買収交渉を行っているなど大富豪で、資産総額は20億ドル(約2000億円)とされる。
2人は2002年に離婚し、06年に慰謝料や贈与などで5000万シンガポールドル(約40億円)を受け取っているという。いくつかのプライベートバンクに口座を開き、何がしかの資産運用を行っていた模様だ。
HSBCにおいては、担当者に望まない期待以上のリスクを取らされたという。当初はそのリスク選好のポートフォリオは運用益が出ていたものの、最終的には損失を被ったのだという。
テオ氏がどれくらい投資や資産運用の知識があったか、それを担当者がどこまで理解していたか、適切な説明を行ったのか、が問われそうだ。
HSBCは、預金額1000万円以上のリテール口座、HSBCプレミアなどがあり、富裕層や高所得者の間では良く知られるが、現在では日本からリテール事業は撤退している。