ソーシャルメッセージサービスのワッツアップが、世界最大のSNSフェイスブックによって160億ドル(約1兆6000億円)という大金で買収された。これによって、創業者や従業員はどの程度の利益を得ることになるか。
まず、なぜ巨額の買収劇になったかという点だが、ワッツアップの月間アクティブユーザー数は4億5000万人(約7割が毎日使用)。同社のショートメッセージサービスが急速に拡大している点も挙げられる。そして、フェイスブックの懸念事項でもある、若者離れを食い止める意味でも、若年層に強い同社を引き込んで対策を打ちたかったからだ。
グーグルが、100億ドルでかつて買収オファーを出していた模様だ。
創業者ジャン・コウム氏は2007年にヤフーを退職、その後は一端はフードスタンプ受給者(日本で言う生活保護)に。2009年にワッツアップを創業した。
以下は米証券取引委員会(SEC)と、フォーブスの試算に基づく。
・発行済み株式数は1億8400万株
・1株あたり65.265ドル
そのコウム氏だが、株式を45%保有。計算すると約68億ドル(約6800億円)になる。フェイスブックの経営陣に招き入れられる。
共同創業者ブライアン・アクトン氏は、同20%保有。計算すると約30億(約3000億円)ドルに。
他の従業員だが、フォーブスの取材によれば、多い人で最大1%を保有しており、160億ドルの1%ということで換算すれば、1億6000万ドル(約160億円)になる。
現在の従業員数は50人程度だという。
ちなみに、グーグル最初の社員クレイグ・シルバースタイン氏は、退社時の2012年2月時点で8億ドル(約800億円)に。
フェイスブック最初の従業員クリス・ヒュー氏は、マーク・ザッカーバーグ氏のハーバード大時代のルームメイトだったが、資産は8億5000万ドル(約850億円)となっている。