米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、投資家向けの書簡で、分散投資を行うことでリスクを抑えることの大切さを説いた。米フォーチュン誌の電子版に掲載されている。ただ、日本人投資家が間違えてはいけないのが、バフェット氏自身は日本株を保有しておらず、米国株でのアドバイスという点。また、自己資金がどれだけあるかでも、注意をしなければならない。
フォーチュンによると、バフェット氏は書簡で、株式投資を不動産投資になぞらえて「農場やアパートは何十年でもじっと保有するのに、株式投資になると、株価の情報を見るたびに、慌てふためくはどうしてか」としている。
1994年から2014年まで、バークシャーハサウェイのリターンは約990%となっている。アメリカン・エキスプレス、コカ・コーラ、ウェルズ・ファーゴなど多数の大企業の大株主でもある。1965年に経営権を握ってからは、45年間で82万%の上昇。
ちなみに、ゆかしメディアでも以前に一度紹介したが、70歳代の会社役員のStewart Horejsi氏が1980年にバークシャーのクラスA株40株を購入。それを持ち続けて、一時は資産が11億ドルを超えて、大富豪になった例もあった。まさしく長期投資の妙であろう。
また、バフェット氏は「素人は値上がり銘柄を選ばないで、投資先を分散しコストを最小限に抑えた方が良い結果が得られる」とも語っている。
ただし、分散投資のメッセージは富裕層に参考にはなっても、これから富裕層を目指す日本の投資家に当てはまるのかどうかという点では、必ずしもそうとは言い切れない部分もある。むしろ、バフェット氏流の集中投資や、暴落時の買いなどの方が参考になるだろう。
・最低1000万円くらいの資金がないとポートフォリオは組みにくい
・投資資金の少ない局面では、集中投資でリスクを取る
・投資資金が少ない局面で、長期保有にこだわりすぎると、銘柄を間違えた場合に長期の下落相場では塩漬けになるだけ
・「利食い千人力」。上がったら徐々に売却していき、暴落時に勇気を持って買う。これの繰り返しで資金を増やしていく
1億円ホルダーたちが言うには、やはり1000万円⇒1億円に到達するよりも、1000万円まで到達する方が難しかったとする声の方が多い。
毎年100万円を残す家計管理を10年続けることで、貯金だけでも1000万円は可能だが、ある程度のリスクを取った方が効率的になる。アベノミクスで長年の塩漬けからようやく解放された人もいるが、金持ちになれるかもしれなかった時間的チャンスを逃していたことになる。