今年最大のM&A劇と言えば、フェイスブックによるワッツアップの買収。買収額は190億ドル(約2兆1000億円)という途方にないものだが、フォーブスの長者番付にワッツアップから2人がランクインしている。元生活保護受給者のジャン・コーム氏(38)、共同創業者ライアン・アクトン氏(42)。アクトン氏はフェイスブック、ツイッターとも面接で落ちた就職難民だったが、そのフェイスブックに買い取られるという、まさに人生の逆転劇が起きた。
ブライアン・アクトン氏のツイッターより
このあたりが、ビル・ゲイツ氏ら番付の常連である大富豪とはまったく違い、ドラマがある。
アクトン氏のツイッターを振り返ると日記のように当時を記している。
・2009年5月24日 ツイッターの面接に落ちる
「断られてしまった。でも結局、通勤時間も長いし、まぁいいか」
・2009年8月3日 フェイスブックの面接に落ちる
「素晴らしい人たちに会えるような気がしていたのだが。必要ないと言われたので、
また冒険しなければならない」
今はこの両方のツイートを1万人以上がリツイートしたりお気に入りにしたりしているが、当時はだれが大富豪になると思ったことだろう。しかし、わずか約5年で数千億円を掴んで大富豪になるドラマが現実になってしまった。
フォーブスによると、アクトン氏の資産総額は30億ドル(約3100億円)に。
コーム氏は68億ドル(約7000億円)となった。
両者ともに一文無しからの大富豪という、近年にない一発大逆転劇が起きた。ちなみに、2人ともフェイスブックに迎え入れられている。