ひそかに急増するLGBT長者番付、ドルガバやマイケル・コースも

 世界のLGBTの長者番付をフォーブスのランキングから抽出したところ、1位はデビッド・ゲフィン氏で61億ドル(約6200億円)だった。

 LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイ・セクシャル、トランスジェンダーの頭文字を取った言葉で、性的なマイノリティを表す総称として使われている。日本国内でも経済誌で特集が組まれるようになるほどで、週刊東洋経済によると、市場規模は6兆円にも及ぶほどだという。

1 デビッド・ゲフィン     61億ドル
2 ピーター・ティール     22億ドル
3 ジェニファー・プリツキー  18億ドル
4 ドメニコ・ドルチェ     16.5億ドル
4 ステファノ・ガッバーナ   16.5億ドル
6 ジョン・ストライカー    16億ドル
7 マイケル・コース      10億ドル
※敬称略

 大富豪の中には以上の7人が入っており、うちアーティストが4人だ。デビッド・ゲフィン氏は、60年代から音楽界で頭角を粟原わし、イーグルスを世に送り出し、ガンズ&ローゼスなど多数のアーティストを世に送り出す音楽界の重鎮。映画製作会社ドリームワークスの設立にも参画した。ゲイを公言している。

 2位のピーター・ティール氏は、スタンフォード大、スタンフォードロースクール卒でカリフォルニアに地の利を持ち、その後は「ペイパルマフィア」と呼ばれる一人となり、フェイスブックにも最初に出資したVCとしても知られる。過去にニューヨーカー誌で同性愛について「わたしも部外者ではない」と語っている。

 3位のプリツキー氏は、世界初のトランスジェンダー大富豪。米軍で16年間を過ごした。自身が7歳の時に父親が高級ホテルチェーン、ハイアットホテル&リゾーツを起こしており、そのオーナー一族にあたる。

 4位の2人は、ドルチェ&ガッバーナの創業者。近年は脱税の嫌疑が掛り賑わせているが、特に90年代から現在までセレブ女性を虜にして世界中に多くのファンを持つ。

 6位のストライカー氏は、LGBTの権利を守ることを目的とする「アーカスファウンデーション」を設立し運営する。

 7位のコース氏は、マイケル・コースの創業者で、米国発のブランドとして今後が期待されている。

 ゲフィン、ストライカーの2氏以外はまだ若手で、プリツキー、ドル&ガバ、コースは昨年からランクインし勢力を拡大させている。


 また、現状では大富豪ではないが、アーティスト方面には人材が多数おり、ルイ・ヴィトンのクリエイティブディレクターだったマーク・ジェイコブス氏や、同じくグッチのディレクターだったトム・フォード氏、故アレキサンダー・マックイーンら多数いる。

 特にジェイコブス氏は、ルイ・ヴィトンを辞任し自身のブランド、マークジェイコブスに集中。将来は上場を視野に入れているとされ、大富豪への道は意外に近そうだ。

 一方で、日本のLGBT推定人口は約270万人とされる。高学歴、高収入層が多いとも言われ、マイノリティ勢力だが、今後は一定の力を持ってきそうで無視できない存在になりそうだ。

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