相続人の7割が「遺産は自分で使い切る」意向

 相続の意識で、相続人の側は4人に1人は遺産を受け取ることを期待しており、一方で被相続人は、3割しか子供に残したいと考えていないことが、不動産コンサルティング会社のハイアス・アンド・カンパニーの調査結果で明らかになった。

 同調査は、20歳以上の男女2058人(被相続人546、相続人1512)をから回答を得た。
・被相続人:20代1.3%、30代3.3%、40代11.4%、50代28.6%、60代以上55.5%
・相続人:20代6.9%、30代19.2%、40代31.3%、50代30.3%、60代以上12.2%

 ◆子どもに相続させるより、自分・夫婦で使いたい
 被相続人(相続財産を渡す側)を対象に、相続される資産に対する考えを聞いたところ、「出来る限り配偶者には残したい」33.2%が最も多く、次いで「出来る限り子どもには残したい」29.9%、「出来る限り自分で使い切りたい」23.3%という結果に。

 その理由としては「自分の資産は自分で使いたいから」が約半数となった。

 また、相続人に配偶者と子どもが含まれる回答者に限定した、相続される資産に対する考えは、「出来る限り配偶者には残したい」47.9%と「出来る限り自分で使い切りたい」9.9%を合わせた、出来る限り夫婦で資産を使いたい、との回答が約6割となった。

 その理由は「相続争いの原因を作りたくないから」が約3割にのぼり、自分のことだけを考えているのでは無く、相続人のことも考慮してのものだということだ。

 ◆相続対策を何もしていない、が8割強
 相続対策は「何もしていない」が8割強で圧倒的。また、対策法トップ3は、「生命保険への加入」7.5%、「遺言書」7.3%、「生前贈与」3.1%だった。

 相続対策を何もしていない理由は「対策するほどの資産が無いから」が半数以上。だが、司法統計年報によると、実際には遺産額が5000万円以下が8割とほとんどを占める。また、そのうち1000万円未満が3割を占める。

 ◆誰に相談したら良いか分からない
 被相続人、相続人ともに、「誰に相談したらよいかわからない」が約半数で最も多かった。次いで「血縁者」「弁護士」と同なる。

 ◆相続で資産を受け取ることを期待するのは4人に1人
 相続人を対象に、相続で資産の受け取りを期待しているのは、4人に1人(「期待している」「やや期待している」の計)と、実は相続への期待感を抱いている人が少なくない、という結果に。

 ◆相続が発生しても、相続争いは起こらないと思う、が8割強
 もめごとは「起こらないと思う」が8割強という結果に。しかし、家庭裁判所への相続相談件数は年々増加し、訴訟に発展した場合も長期化している。

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