夫は欲張らないこと
では夫は? 「妻の取り分を少なくしようとしても難しいです。法律にも限界があると考えて、公正明大に資産を公開して、早く解決した方がいいように思いますね」。しかし、実際は別れる妻に対して感情的になってしまうのか、金額の大小こそが裁判の勝ち負けだと思って、お金にこだわる人も多いのだという。
ならば、誰にも知られていない、隠し資産を持っていればいいのではないか? 「裁判所は証拠で事実を認定しますので、隠し資産はバレなければ、隠し通すことも不可能ではないかもしれません。しかし、今は金融機関の書類などは自宅に送られてくるので、たいてい妻にも知られています。離婚前提で結婚生活を送る人はいませんから、隠し通すのは難しいかもしれません」とのこと。ただし「弁護士の立場からは(脱税などの温床となる可能性がある隠し資金は)お勧めはできません」と法律家らしく、もっともな答えが返ってきた。もちろん、これは財産分与以前の問題だが。
では、夫、妻双方とも、これらの基本戦略を踏まえた上で、実際の戦術に話を移そう。