英国富裕層5世帯のみで最下層20%の資産を超える

 英国で最もリッチな家庭5世帯の富だけで、英国の最貧層20%の富よりも大きいことが、国際NGOオックスファムの調査でわかった。282億ポンド対281億ポンド=(4兆7740億2385万3200円対4兆7570億9469万600円となる。

 フォーブスの長者番付によると、英国大富豪の最上位5位は次のようになる。

・81位 ジェラルド・キャバンディッシュ・グロヴナー一族 130億ドル 不動産

・95位 デビッド&サイモン・ルーベンスタイン兄弟 115億ドル 競馬&不動産

・122位 ヒンドゥージャ兄弟 100億ドル 商社

・196位 チャールズ・カドガン一族 69億ドル 不動産

・256位 マイケル・アシュレイ 55億ドル 不動産

 オックスファムによると、英国の最下層の20%というのは、人口にして約1260万人。
そのうち子供が350万人、年金受給者が160万人になるという。特に90年代の半ばからは差が加速しているという。例えば、収入の伸びで見ると、次のようになる。

◆上位0.1%
1年あたり=2万4000ポンド上昇
1週間あたり=461ポンド上昇

◆下位90%
1年あたり=147ポンド上昇
1週間あたり=2.82ポンド上昇


 このように差は開く一方となっている。ちなみに、英国の年収の中央値は、2万6500ポンドだという。トップのグロヴナー家の資産だけで最下層10%に相当する。同家は、メイフェアー、ベルグラビアなどロンドンでも最上位の高級住宅街を、300年以上前からになる貴族階級であり、階級と富が現在も続いている。ちなみに、上位5人のうち3人が不動産業である。

 同団体は過去に、世界の富裕層の上位1%である85人の総資産が、全世界約71億人の下位半分の資産を占めるという調査報告書「Working for the Few – Political capture and economic inequality (少数の利益のために―政治権力と経済格差)」を発表している。

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