英がアマゾンなどに20%のダウンロード課税へ

 アマゾン、グーグル、アップルなどグローバル企業が、タックスヘイブンを利用して租税回避を行っているが、英国のオズボーン財務相が、ダウンロード物に対して、2015年の1月から20%の課税(付加価値税)を行う見通しであることを、英ガーディアンに語っている。

 元々は、アマゾン、グーグル、アップルなど多くの企業は電子書籍や音楽などのダウンロード物が知的財産権であると位置付けて、ルクセンブルクなどを間に置くことで、課税を逃れてきた。

 これらはパテントボックスとも呼ばれるもので、ルクセンブルク、オランダなどは他の欧米諸国よりも安い税率に設定されているために、それらを利用している。

 英国では、コーヒーチェーン大手の英スターバックスが昨年、英国政府に5年ぶりに法人税を支払った。税率の低いオランダに売上を移転させたり、原材料となるコーヒー豆の仕入れをスイス法人に任せて課税逃れしてきた。英進出から14年間で30億ポンドの売上げがあるにも関わらず、わずか800万ポンドの納税にとどまっていた。

 先進国では売上高は上がるものの、不動産、資材、人件費などのコストが高い。その分の穴をタックスヘイブンなどで埋めようというのが目的だ。

 イタリアでは、アップルなどグローバル企業に対して イタリア国内で納税をする義務を課す法案が国会に提出されているなど、包囲網は造られていく。OECDの租税委員会で話し合いが行われており、今後はますます規制が強くなるとみられる。

 日本でも先日の参院予算委員会で、三原じゅん子氏が質問でアマゾンについて、「国民のみなさんの税金で整備された道路や橋やトンネルなどのインフラを税を納めることなく、タダ乗りする形で利用して商売を行っている」などとタダ乗りを批判。

 アマゾンの日本国内での納税額についても質問したが、国税庁は、個別の案件であるということで回答を差し控えている。ただ、いずれにせよ、日本国内でも課税策を検討中でもあり、租税回避の余地が難しくはなりそうだ。

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