「アジアのベストレストラン50」が2014年も発表され、日本の「ナリサワ」が2位に入るなど10店がランクインした。ただ、日本勢が1位を明け渡したことで、他国は観光政策の一環として戦略的に情報発信を行うなどランキングを上げる努力をしているともいい、「日本のランキングがなぜ下がっているのか」との声もあがるなど、喜んでばかりはいられないようだった。
24日に東京都内で行われた報告会では、シンガポールで行われた授賞式に出たシェフが出席。成澤由浩(ナリサワ)、山本征治(龍吟)、岸田周三(カンテサンス)、生江史伸(レフェルヴェソンス)、高澤義明(TAKAZAWA)、米田肇(HAJIME)の6氏が出席した。
2014年のランキングは次のとおり。
1 ナーム タイ
2 ナリサワ 日本
3 ガガン タイ
4 アンバー 香港
5 龍吟 日本
6 アンドレ シンガポール
7 ワクギン シンガポール
8 ウルトラバイオレット 中国
9 ロンケンヒン 香港
10 オット エ メッツォ ボンバーナ 香港
11位以下の日本勢は次のとおり。
16 石かわ(42)
22 カンテサンス(16)
25 レフェルヴェソンス(-)
34 タカザワ(31)
38 すきやばし次郎(-)
41 さわ田(-)
42 ハジメ(21)
43 鮨サイトウ(39)
アジアのベストレストラン50のリストは、ダイナースクラブの「世界のベストレストラン50」のアカデミーが作成。レストランに関して専門的な見識を持つ業界を代表する900人以上の著名なグローバルリーダーから構成されている(非公開)。
そして、世界の26に分かれた地域をカバーし、各地域には1人のチェアマンが置かれて、36人から成る評議会がある。この評議会はそれぞれが7票を持っており、少なくとも3票は自分の所属以外の地域に入れなければならない仕組みになっている。また、評議員は毎年10人以上は交代する(スポンサー関係者は投票できない)。
「海外は自分たちの飲食店が観光にどうつながっているのかという目から、戦略的に国がお金を入れている。日本には多くの店があり、投票者が少ないということもあるし、他国は店が少ないので、順位が上がりやすくなる。『日本の店の評判は良いのに、何で順位が下がっているのか』と聞かれる」
日本の業界関係者は言う。というのも、日本と違い海外では、このランキングのステータスが高く、注目度が高いために、観光にも直結しやすいという側面もあるようだ。ちなみに、シンガポール開催というのも国が動いて誘致したともいう。今後は新しい情報発信が課題だとの認識が業界では出ているようだ。
日本勢は10店がランク入り。そのうち6店が順位を下げ、2店が順位を上げ、2店が初登場だった。