吉野家などを展開する吉野家ホールディングスは、香港の店舗で、福島の米など食材を使用しないという張り紙を店舗で行っていることがわかった。一方で、同社は昨年10月から、福島県と同白河市の協力を得て、農業生産法人「株式会社吉野家ファーム福島」を設立している。
福島では東京電力福島第一原発の事故による放射能汚染があり、すべての生産と出荷物を放射性物質の基準検査が行われている。しかし、食材については、国内と海外では温度差があり、香港の店舗はポスターの掲示に踏み切ったものとみられる。
原発事故から3年が経過した今でも、原発反対派、脱原発派の人の中には、東日本で生産されたものは食べないという徹底した人もいる。
今回の吉野家の香港61店舗で、福島産の米を使っていないという「100%絶無 日本福島食材」のメッセージを掲示した。この画像は、個人のソーシャルメディアで拡散している。
現在では福島は出荷可能区域が拡大しており、風評被害を変えるべく努めている。ただ、日本では福島の米は使わないと言えば非難されるが、香港ではその逆というダブルスタンダードがまかり通る。原発事故の影響は今後も内外差を生みそうで、どちらが本音なのかはともかく、問題となりそうだ。
福島の自社ファームは、2017年度には、13ヘクタールまで農場面積を拡大させる計画で、米の生産も本格的に開始して復興支援につなげていきたいという。