富裕層は一般的に、自分の資産を公言するにしても(実際にはしたがらない)、低く言うものだが、タレントの松居一代さん(56)が、「資産10億円」の報道を否定して、自ら資産額の上方修正を行った。また、いったい何に投資して大儲けしたのか、その理由もこの機会に振り返っておく。
まず2日に自身のブログで、週刊文春の「資産10億円」報道を「大間違い」だと真っ向から否定した。重ねるように日刊スポーツで、米国でテレビショッピングに進出することも宣言した。
何の投資でそこまで大きな儲けを出したのかだが、どうやら不動産担保債券のようである。
これは、元々動かしにくい資産の代表格である不動産を証券化して流動化を与え、動産にしたもの。個人投資家向けには、銀行や証券会社などで販売されている。
米国では画期的な商品として受け入れられたが、2007年にはサブプライムショックが起こり、多くの投資家が損失を出した。これを逆手にとって逆張りをして、07年だけで1兆円以上の運用益を出したヘッジファンドが、ジョン・ポールソン氏のポールソン&カンパニーである。
不動産価格が上昇すれば、その債券価格も上昇する。分配金も支払われるというのが一般的だ。下がればその逆になる。
松居さんが過去に、日テレ系「有吉ゼミ」で語ったところによると、不動産価格が上昇する前の2012年中に、2020年の東京五輪開催決定を見込んで購入したという。それも一つの債券を億単位で購入し、高値で売り抜けたということだ。
実際にはどの程度の格付けの債券をリスクを取って購入したのかは不明だが、市場とは逆張りしていた読みは確かだったようだ。
一つの債券に億単位の資金を投じるところから考えれば、資産額は10億円を優に超えているだろう。特許、芸能活動などの収入と合わせて、投資では、もうひと山、相場の波を掴めば、資産100億円達成もひょっとするかもしれない。