37歳にしてフォーブス長者番付の常連として、日本で16番目の大富豪である資産16億ドル(約1660億円)のグリー、田中良和社長。このたび妊娠・中絶を行った交際女性から、一生消えることのない精神的な傷を負ったとして、3000万円の賠償金を求めて東京地裁に提訴された。日本のソーシャルゲーム王に、本業以外に難題が降りかかる。
訴状によると、田中氏と都内の20代女性は平成22年に知人の誕生会で知り合い、23年1月から交際を開始。その後は半同棲生活を始めるようになった。何度か実家に戻ろうとするがひきとめられて、赤坂や高輪などで同棲が続いた。24年11月に妊娠が判明し、話し合いをしたが、田中氏は玄関口に30万円を置いていくなどし、女性は同12月に中絶手術を行ったという。女性は、その精神的苦痛は一生残るものだとして、3000万円を請求している。
一方の田中氏は、話し合いを続けてきたがラチがあかなかったことを明かし、また、妊娠当時は交際は順調ではなかったという。さらに、途中から女性が請求額を「2億円」に引き上げたことで、背後関係などに疑いを持つようになり、代理人交渉に切り替えたのだという。
本業では、グリーの連結決算は12年6月期(売上高1582億円)がピークに下り坂に入っており、難しい時期にきている。この頃にプライベートでは、こうしたトラブルが起きていたことになる。そして翌13年には200人の希望退職者を募るなど苦境を迎えていた頃だった。
プライベートとは言えども、上場企業社長の振る舞いとしてはいただけない上に、脇の甘さを指摘されても仕方がない。また、シモのスキャンダルは周囲がうまく処理をすることで、公になるのを免れた例もないわけではない。社長個人だけでなく、また、周囲も甘かったと言わざるを得ないだろう。
先日はトレンダーズ、エニグモの両トップが交際(不倫絡み)との報道がなされたばかりだが、最近のトップたちは甘いようだ。