著名投資家をもカモる超高速取引(HFT)

 何十万分の一、あるいは何百万分の一で市場取引を行う超高速取引(HFT)が、著書「フラッシュボーイズ」(マイケル・ルイス著)で発表されたことで、再び話題となっている。米商品先物取引委員会(CFTC)、米証券取引委員会(SEC)も関心を持ち調査を始めている。

 今までにも話題になったことはあるが、「フラッシュボーイズ」はさらにインパクトが大きかった。業界のインサイダーたちが、超高速取引ができるハイテクコンピュータシステムを駆使して、市場を操っているという観点に立って描写されているからだ。


デビッド・アインホーン氏(中央)
 ルイス氏が先日、ブルームバーグTVに出演した際に語ったところによると、米大手ヘッジファンド運用会社グリーナライト・キャピタルのデビッド・アインホーン氏でさえ理解できていなかったといい、「アインホーンでさえも、八百長カジノのカモだ」と発言し、大きな衝撃を与えている。

 そもそも、HFT(ハイフリークエンシートレーディング)は、何百万分の一秒で注文を繰り返すという途方もない高速のシステムトレードだ。株式市場だけでなく、商品市場、為替市場など各先物市場でも主要プレーヤー的な位置づけだ。

 東証でも、2010年からアローヘッドを導入し、HFTが市場をより動かす存在となっている。週刊ダイヤモンド4月12号の中でも日本に進出してきた、HFT業者の名前が9社公開されている。

 それはKCG、バーチュ、サントレーディング、クオンツラボ、ハドソンリバートレーディング、サスケハナ、RGM、タワーリサーチキャピタル、IATの9社だ。

 今年に入ってから、HFTとは真逆に位置する、長期投資家のウォーレン・バフェット氏の傘下のプレスリリース配信会社が、HFT会社への情報配信をストップするなど、インサイダーや手数料の割引などの疑念を持たれていることも事実だ。

 HFTにより、膨大な注文数が出たり、そして急な取り消しが出たり、市場をかく乱させるような要因を含んでいる。流動性が高まる一方で、一気に市場から引き揚げて急落し、遅れて参戦してきた個人投資家がババを引くこともあった。

 現状では、小型株や割安株などを主戦場として中長期投資を行い、HFTとできるだけ戦わないという姿勢で臨むくらいか。

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