相続税で笑って固定資産税で泣くNYの新税制

 4月1日からの米国ニューヨーク州で、不動産の相続税評価の控除額が206万ドル(約2億円)と引き上げる富裕層優遇政策が始まった。相続税の控除額は段階的に引き上げられ、2017年には控除額が525万ドル​​(約5.3億円)に変更となる。

 NY州政府によると、控除額の変更は次のとおり。

・2014年4月1日~15年4月1日以前に死亡の場合 控除206万2500ドル
・2015年4月1日~16年4月1日以前に死亡の場合、控除312万5000ドル
・2016年4月1日~17年4月1日以前に死亡の場合、控除418万7500ドル
・2017年4月1日~19年1月1日以前に死亡の場合、控除525万ドル

 NYの不動産価格が上昇していくことも加味しての控除額の増額となっているが、NYは1億円を超えるものにてついては固定資産税が16%と最も高く、フロリダなど他の州に家を構える富裕層も多い。これも10%程度に下げる模様だ。

 アンドリュー・クオモ市長も年頭の公開されたメッセージで「ニューヨーク州は米国で最も税金が高くなっていた」としており、一つの配慮を示した形だ。

 ただし、税金を取る側は納税者に良い顔ばかりはしない。相続税で笑って固定資産税で泣くこともあるというのだ。

 ニューヨーク州公認会計士協会がそれについて警告を発しており、525万ドル以上の物件については、ここからさらに26万2500ドル以上の価値があれば、固定資産税43万50ドルを支払うことになるという説明を行っている。限界税率で164%の支払いになるとしており、死に場所はNYで、とばかりは言いにくいようだ。

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