チューダーの先物ファンド閉鎖とヘッジファンドの抱えるジレンマ

 マクロの代表的存在でもある米著名ヘッジファンド運用会社チューダー・インベストメントが、マネージドフューチャーズのファンド「Tudor Tensor Fund」を閉鎖していたことが判明した。ここ3年間はパフォーマンスが冴えない展開だったが、背景には同時にヘッジファンドの抱えるジレンマもあるようだ。

 ブルームバーグビジネスウィーク誌によると、チューダーは投資家には、他のファンドへの移管か、もしくは償還を行うよう、投資家向け書簡で明らかにしているという。

 同ファンドは2005年に運用開始。ピーク時の2009年には11億ドルまで膨らんだが、その後名なだらかに下落していった。

 2005年~2009年までが累計77%、2010~2013年までは累計マイナス20%となっている。

 全米先物協会理事のジェフ・マレック氏はCAIAアソシエーションのサイトで、2009年に同ファンドに顧客から34%に及ぶ大きな資産流入があったことを明らかにしている。パフォーマンスが良かった時に投資資金がなだれ込んだが、そこから下落の道をたどっているのだ。「運用者のスキルやパフォーマンスには関係ない」ともしている。

 全体としては、まだ40%以上のリターンがあるものの、ヘッジファンドの一種の宿命でもある。


CAIAアソシエーションより

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