腕時計の価格に及ぼす要素として大きいのは、ハイジュエリーウォッチ(宝飾品)として、カラット数を増やす、もしくは、エターナルカレンダーなどの複雑機構を組み合わせることで技術的な価値を上乗せする。あるいは、ブランドを武器にアンティークとして、オークションで人気化するということになる。
1位のグラフ、2位のジャガールクルト、3位のショパール、5位のウブロはハイジュエリー物。対して、価値の下落がなく「相続財産」とも言われるパテックフィリップは4本が入っている。
1 5500万ドル グラフ「ハルシネーション」
2 2600万ドル ジャガールクルト「Joaillene Manchette」
3 2500万ドル ショパール「201-Carat」
4 1100万ドル パテックフィリップ「Super-complication Watch」
5 563万ドル パテックフィリップ「Ref.1527」
6 500万ドル ウブロ「BIG BANG」
7 470万ドル ブレゲ「Paris Precision Stop Watch」
8 460万ドル ルイモネ「Meteoris Watch」
9 410万ドル パテックフィリップ「Platinum World Time」
10 370万ドル パテックフィリップ「1928 Single-Button Chronograph Watch」
このたび新記録となり1位となったハルシネーションだが、全面がジュエリーで覆われたモデルで、万華鏡ををモチーフに110カラットのレアダイヤモンドを使用した。今年のバーゼルワールドで発表されたもので、専門チームが、1000時間をかけて製作にあたった。ローレンス・グラフ会長は「長年、ダイヤモンドに思い描いてきた情熱を実現できた夢の時計」だと評している。
最近では、腕時計をしなくなった若手の富裕層もいる。機能面だけでいえば、スマートフォンなど他のデバイスで代用が可能だからだ。ヴィンテージ腕時計は、市場で取引できることもあり、団塊以上の世代あたりから、相続財産として今後もヴィンテージ腕時計が世に出てくることだろう。