自動車グループのフィアットグループのセルジオ・マルキオーネCEO(最高経営責任者)は6日、米国で自社が保有するフェラーリ株について、売却は今後もあり得ないとの見解を示した。
フィアットは経営再建中のクライスラーの株式を約25%保有していた時代に、子会社化を目指していた。その際に手っ取り早くキャッシュとなる可能性があったのがフェラーリ株だった。
2010年9月時点では、31億ドル(NYタイムズ)との試算だった。この日のマルキオーネCEOによれば、フェラーリ時価総額は46億ドル~75億ドルだとしている。また、一部の報道では、160億ドル(約1兆6200億円)というものまである。
ただ、いずれにせよ今後も売ることはないという。
クライスラー株の過半数取得については、今年に入ってから年金基金などから買い取り、完全子会社化に成功し、世界7位の自動車グループとなっている。そのために必要がなくなった。
また、一時、アブダビ投資庁が一部を保有していたこともあるが、現在は買い戻しており、フィアットはフェラーリ株の90%程度を保有しているものとみられる。