映画「クライマーズハイ」「血と骨」などを製作したことでも知られる、映画製作会社「ビーワイルド」代表者の若杉正明容疑者が、警視庁に詐欺の疑いで逮捕された。国税庁、さらには融資先、出資先など合わせて負債総額は数十億円とも言われており、金の流れなどひじょうに謎が多い。中には著名芸能プロ「イエローキャブ」への出資話を出すなど言葉巧みだったという。
逮捕の直接の容疑は東京都内の男性から3000万円をだまし取った疑いだという。逮捕は時間の問題だと言われてきたが、映画をやるやる詐欺がようやく逮捕された。今後、総額でいくら出資を受けたのか、さらに詰めていくことになる。
「クライマーズハイ」「舞妓Haaaan!!!」「血と骨」など映画を知らない人でも、タイトルは聞いたことがあるという作品ばかりだろう。この頃のビーワイルドは飛ぶ鳥を落とす勢いだった。
だが、映画製作は2009年公開の「なくもんか」が最後となった。この映画は出演者のギャラの未払いトラブルが後に発覚した。
元NHK出身で「顔が広く、様々な方面に顔が利く」という評判で、マスコミでも当時は時代の寵児として好意的な扱いを受けていた。しかし、なぜか屋台骨は火の車。自宅は税金の滞納で差し押さえを受けたり、会社も負債総額がはっきりしないほどで「なぜ潰れないのかが、わからないほど。もちろん、業界では誰も相手にしていないし、若杉代表の携帯電話もずっとつながらないらしい」(業界関係者)と言われていた。
窮状を脱すべく金策(詐欺)に走ったわけだが、「堀北真希」「小池栄子」「国生さゆり」ら有名どころの名前を出しては、出資者を口説き落としていったと言われる。だが、2009年以降は製作実績がまったくなく、出資者からの催促から逃れるために電話がつながらなかったのだろう。
有名芸能人たちの名前を出されると、正常な判断ができなくなってしまうのか、舞いあがって、詐欺に引っ掛かりお金を出す人はよくいる。それで、集めた金額はどれくらいかわからないが、今後の捜査で明らかになっていくことだろう。