ホテルオークラ東京は、本館建て替え計画を実施するために、本館は2015年8月末でホテル営業を終了すると発表した。開業は2019年2月末の予定。隣接する別館の営業は続けられる。
ホテルオークラ東京本館は1962年5月20日の下位行から52年にわたって営業を行ってきた。純和風の伝統美あるもてなしが国内外から高い評価を受けてきた。
現在の敷地面積は2万6200平方メートル、建物は延べ18万平方メートル、高さ195メートル(地上38階、地下6階)となっている。
大倉財閥の二代目当主の大倉喜七郎が設立。きっかけは戦後の公職追放から帝国ホテルを追われ、ホテル業への未練から大倉家邸宅の土地にホテルオークラ東京本館を建設した。その際に、海外の来賓を迎えるにあたって和の心を重んじたコンセプトにこだわり抜き、帝国ホテルを目標に作られた。現在でも富裕層が会合や婚礼など利用ニーズはあるものの、高台の上に立地し、最寄駅からもそれほど近くはないため、一般利用者へのアピールは不足していた感も否めない。また、最近では外資系とのサービス競争も激化し、相対的に存在感は低下していった。
ホテルオークラは施設が老朽化する中で、建て替えは不可避と見られていても、対外的にはこれまで慎重な姿勢を崩さずにここまできていた。
しかし、虎ノ門の再開発によって外堀、内堀を埋められるかのごとく、周囲から取り残されていくばかり。また、虎ノ門ヒルズにはアンダーズの開業することになっており、決断は迫られてはいた。
帝国ホテル、ホテルニューオータニと国内高級ホテル御三家で唯一、五輪開催前に建て替え工事を行う一方で、帝国とオータニは五輪後に改装工事を行う。どちらの選択が正しいか。