日産ゴーン、いつまで空気読むか年収10億円超え

 日産自動車は定時株主総会の招集通知で、平成26年3月期の取締役8人の役員報酬総額が16億5400万円に上ったことを明らかにした。一人当たり平均では前期比7%増の2億600万円になる。毎年10億円を前にして足踏みを続けてきたカルロス・ゴーン社長が、ついに10億円超えとなった可能性がある。「ゴーンは10億円を超えられない」という見方はあったが、はたしてどうか。

 ゴーン社長の具体的な報酬額は例年どおり株主総会の中で明らかにする。ちなみに、これまでの役員報酬は次のとおり。

2013年 9億8800万円 
2012年 9億8700万円 
2011年 9億8200万円 
2010年 8億9100万円 
※ルノーの報酬は昨年は3億7000万円程度

 ただし、ルノーにおいては、2013年から2016年まで報酬の3割カットと条件に、従業員のリストラを行うという交渉案で組合と妥結しているのだ。日本では伝えられていないが、仏の主要紙では伝えられている。

 そして、ルノーの大株主があらゆる増税策を練っているフランス政府でもある。あまり政府を刺激したくはない。日本で取るしかない、という図式にはなる。


カルロス・ゴーン氏
 自動車業界に詳しい経済記者は「業界他社の幹部たちからも批判かやっかみかはともかく、文句が出て、字にはなりませんが、オフレコの場では結構な言われようです」と話す。確かにトヨタの豊田章男氏が1億8400万円、ホンダ伊東孝神氏が1億4500万円とそこまで高額報酬ではないし、そこまで業績差があるわけではない。

 そのうえで「10億円のラインは意識して超えないようにしてきたのでは」(同)という見方さえある。買収した側の収奪者のイメージがより付いてしまうのを恐れているためだろう。

 10億円の大台突破は、明らかに世間の目は変わりそうだ。まだ、10億円到達までには1200万円のバッファーがある。空気を壊すのは、今年なのだろうか。

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